新QC7つ道具とは?覚え方から使用例まで初心者向けに解説

投稿日:2023/10/24

新QC7つ道具は、主に言語データを図表化することで、組織内のさまざまな課題に対処するのに役立つ道具群です。この記事では、そんな「新QC7つ道具」について以下のポイントを分かりやすく説明しています。

  • 従来のQC7つ道具との違い
  • 新QC7つ道具の覚え方(語呂合わせ)
  • 各道具の活用事例

あらゆる業界で問題解決や改善を行う方やQC検定取得を目指す方に向けて、新QC7つ道具の特徴とメリットを簡単に説明します。

目次

  1. 1. 新QC7つ道具とは?
    1.     1.1. 従来の7つ道具との違いは扱うデータの種類
    2.     1.2. 新QC7つ道具の覚え方(語呂合わせ)
  2. 2. 各道具の説明と活用事例
    1.     ①親和図法
    2.     ②連関図法
    3.     ➂系統図法
    4.     ④アローダイヤグラム法
    5.     ⑤マトリックス図法
    6.     ⑥マトリックス・データ解析法
    7.     ⑦PDPC法
  3. 3. まとめ

1. 新QC7つ道具とは?

新QC7つ道具とは、数値化の難しい言語データを図や表で視覚的にまとめ、問題点の解決方法を探るために用いられる道具群です。英語では「New Quality Control – 7 Tools」で、略して「N7」とも呼ばれています。具体的には、以下の7つを指します。

  1. ①親和図法
  2. ②連関図法
  3. ➂系統図法
  4. ④アローダイヤグラム法
  5. ⑤マトリックス図法
  6. ⑥マトリックスデータ解析法
  7. ⑦PDPC法

1.1. 従来のQC7つ道具との違いは扱うデータの種類

一番大きな違いは、扱うデータの種類です。QC7つ道具では主に数値データを、新QC7つ道具では言語データを取り扱います。

従来のQC7つ道具は、製造現場で不良解析やデータの分析のために利用されています。
しかし、言語データを多く使用する営業や企画、設計、総務、経理などの部門では活用しにくいという問題がありました。そこで、言語データを活用する手法として「新QC7つ道具」が生まれました。

1.2. 新QC7つ道具の覚え方(語呂合わせ)

新QC7つ道具を覚えるには「新連携アロマでP!」の語呂合わせで覚えるのがおすすめです。

  1. 新 :親和図法
  2. 連 :連関図法
  3. 携 :系統図法
  4. アロ:アローダイヤグラム法
  5. マ :マトリックス図法
  6. で :マトリックス・データ解析法
  7. P  :PDPC法

2. 各道具の説明と活用事例

ここでは、各道具の概要とメリット、そして製造業での事例を紹介します。

①親和図法

親和図法とは、ブレーンストーミングやアイデア出し等で多種多様な意見があるときに、似たもの同士をグループ別にまとめて整理する方法です。親和性の高いモノを集めるので、親和図法と呼ばれます。

親和図法の事例

例えば、製品の不良流出の原因を考え再発防止策を考えたいときに使用します。不良流出の原因を思いつくだけカードに書き出し、人・意識系とプロセス系に分けてグルーピングします。改善の基本「人を責めずに仕組を疑え」をもとに、プロセス系の原因を解決する方法を考えます。

親和図法のメリット

親和図法を使用するメリットは以下の通りです。

  • グルーピングすることで、グループごとの優先順位を決められるので解決への計画が立てやすくなる
  • グルーピングすることで、個々の意見の根幹となる問題が分かるので、対処しやすい
  • 問題が明確になるので、関係者が課題の内容を的確に分かる
  • 複数人で行った場合、皆の意見が取り入れられるため参加者のモチベーションや団結力が上がる

 

②連関図法

連関図法とは、1つの問題に対して、複数の原因があり複雑に絡み合っているときに、因果関係のあるもの同士を矢印で繋ぐことで、つながりを見える化する方法です。

元祖QC7つ道具の「特性要因図」と似ていますが、特性要因図は結果と原因が一方通行なのに対して、「連関図法」は原因同士の関係性が分かる点が異なります。

連関図法の事例

例えば、職場が整理整頓されていない原因を整理するために使用します。まずは、中央に問題を配置し、その周りに思いついた原因を並べます。どんどん原因を掘り下げて書き込み、結果となるもの全てに矢印を繋ぐことで、因果関係が見えてきます。

連関図法のメリット

連関図法を作成するメリットは以下の通りです。

  • どれが原因でどれが結果か分からないような複雑に絡み合っている問題を整理できる
  • 図を作成する中で、新しい意見が出てくる可能性がある
  • 矢印が集まっているものが重点項目だと分かるので、解決の優先度が分かりやすく、解決への計画を立てやすくなる
  • 複数人で行った場合、皆の意見が取り入れられるため参加者のモチベーションや団結力が上がる

➂系統図法

系統図法とは、目的を達成するための手段を系統的に順序だてて洗い出し、やるべきことを明確にする方法です。

系統図法の事例

例えば、作業スピードを上げたい時に使用します。まずは第一手段を書き出し、それを実現するために必要な作業を掘り下げていきます。具体的に実行可能なレベルまで掘り下げると、目的達成のためにやるべきことが明確になり実行しやすくなります。

系統図法のメリット

系統図法を作成することで、以下のようなメリットがあります。

  • 目的達成のために必要なことがリストアップされるので実行に移しやすい
  • 目的と手段の関係性を一目で理解できる
  • 系統的に順序だてて手段を考えるので、発想しやすくヌケやモレが出にくい

④アローダイヤグラム法

アローダイヤグラム法は、結合点を〇、作業を→で表し、そこに作業完了までに必要な日数を書き込むことで日程計画を立てる方法です。別名、矢線図やパート図とも言います。

図の中で、プロジェクト完了までに最も時間のかかる経路(オレンジ線)を「クリティカルパス」と言います。この経路上の作業がそのまま全体の遅れにつながるため、重点的な管理が必要です。

アローダイヤグラム法の事例

例えば、製品の組立作業完了までのスケジュールを管理するために使用します。まずは左の表(作業内容、先行作業、所要時間)を作成し、それを元に右の図を作成します。図からクリティカルパス(=プロジェクト完了までに最も時間のかかる経路)を見つけることでスケジュールを管理しやすくなります。

アローダイヤグラム法のメリット

アローダイヤグラム法を使用することで、以下のようなメリットがあります。

  • クリティカルパスを見つけ、重点的にスケジュールを管理することで納期遅延を防げる
  • プロジェクト完了までの時間短縮のために、事前に対策を考えることができる
  • クリティカルパス以外の経路は、どれくらい遅れても大丈夫なのか計算ができる

⑤マトリックス図法

マトリックス図法とは、2つの要素を行と列に配置して、それぞれの関連度合いを交点に表示し、問題解決を効果的に進める方法です。

マトリックス図法の事例

例えば、職場改善のアイデアが多数あるときに、どれから先に実践していくのか優先度を考える時に使用します。行にはアイデアを入れ、列には評価項目を入れます。交差点には△、〇、◎など任意の記号を書き入れることで視覚的に情報を整理できます。

マトリックス図法のメリット

マトリックス図法を作成することで、以下のようなメリットがあります。

  • 各要素間の関係性を整理できる
  • 全体を見渡して結論を導き出すことができる
  • 系統図で手段を洗い出し、マトリックス図法で評価し優先度を決めるなど、他の手法と組み合わせることで効果的に使用できる

⑥マトリックスデータ解析法

マトリックスデータ解析法とは、⑤マトリックス図が数値データを扱うとき、多数の項目を少ない項目に置き換えてデータを整理する方法です。新QC7つ道具の中で、唯一数値データを扱います。

マトリックス・データ解析法の事例

例えば、評価項目が多数あるスキルマップから社員の特性を把握したいときに使用します。主成分分析という計算方法で多くの項目を単純化し、そこで得たデータを散布図にすることで、社員の適性が見えてきます。

マトリックス・データ解析法のメリット

マトリックス・データ解析法を使用することで、以下のようなメリットがあります。

  • マトリックス図でたくさん項目があると複雑になりがちだが、マトリックスデータ解析法を使えば単純化できる
  • 情報の損失を最小限にしながら、複雑な数値データを単純化できる
  • 単純化したデータを図表化できるので、理解しやすい

⑦PDPC法

PDPC法とは、目標達成までに起こりうる問題と対策を事前に考え、図として表す方法です。

PDPC法の事例

例えば、製品の組立をスムーズに行うために、あらかじめ不測の事態を予測して計画を立てる時に使用します。まずは、スタートとゴールを決め、作業完了に最低限必要なルートを追加します。次に不測の事態が予想されるポイントを考え、分岐点のひし形で追記します。そして、不測の事態への対策を書き入れると完成です。

PDPC法のメリット

PDPC法を使用することで、以下のようなメリットがあります。

  • 対策を事前に準備できる
  • 最適なプロセスが分かる
  • 情報を共有するときに活用できる

3. まとめ

この記事では、新QC7つ道具の概要や従来の7つ道具との違い、そして各ツールを具体例を用いて紹介しました。ぜひ現場での問題解決や品質維持、改善活動にお役立てください。

弊社では、ISO9001を取得し、お客様に対して、安定した品質レベルの製造請負サービスを提供できるよう、迅速な初期対応、安定した品質管理、徹底した納期遵守・適材適所の配置を強みに請負サービスの拡大に努めております。HPに記載されていない案件でも誠意をもって対応させて頂きますので、まずはこちらからお気軽にお問い合わせください。

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