なぜなぜ分析|円滑に進めるためのやり方を説明

投稿日:2023/7/10

「なぜなぜ分析」は、問題解決や改善策の立案に役立つツールです。しかし、初めて取り組む方は具体的な進め方やコツが分からないこともありますよね。

そこで、この記事では効果的な再発防止策を導き出すための「なぜなぜ分析のやり方」について、手順やポイントをお伝えします。問題解決のスキルを高め、成果を上げるための一歩を踏み出しましょう。

なぜなぜ分析|円滑に進めるためのやり方を説明
  1. 【目次】
  2. 1. 「なぜなぜ分析」とは?
  3. 2. 「なぜなぜ分析」のやり方
    1.     2.1. 事前準備
    2.     2.2. 進める手順
  4. 3. 進めるコツ
    1.     ①発生した背景まで明確にする
    2.     ②少人数グループで全員発言する
    3.     ➂分かりやすい言葉で書く
    4.     ④原因→結果の繋がりを意識する
    5.     ⑤人のせいにしない
  5. 4. ちゃんとできてる?チェックリストで確認!
  6. 5. まとめ

1. なぜなぜ分析とは?

なぜなぜ分析とは、問題に対して「なぜ?」と問いかけることで真の原因(=真因)を明らかにする方法で、問題の再発防止を目的に行われます。一般的には「なぜ?」を5回繰り返すことで真因までたどり着けるとされ、英語では「5Whys」と呼ばれます。

トヨタ自動車が考案し、今では製造業に限らずITや建設業、金融業など幅広い業種で使用されています。以下はなぜなぜ分析の一例です。

2. なぜなぜ分析のやり方

それでは、なぜなぜ分析の進め方を説明します。初めての方でも分かりやすいように、事前準備から手順、進めるコツについて解説しています。

2.1. 事前準備

なぜなぜ分析を始める前にホワイトボード、付箋、ペンを用意しましょう。3〜5名のグループで行うと多角的な視点のアイデアが出るためおすすめです。

2.2. 進める手順

それでは、なぜなぜ分析を進める手順を紹介します。

ステップ1: 目的を共有する

まずはなぜなぜ分析を行う目的をチームメンバーに説明します。なぜなぜ分析の目的は、問題の再発を防止することです。全員が目的を理解したうえで分析を進めないと、再発防止に繋げるのが難しくなります。

ステップ2: 問題を明確にする

次に問題を明確にしましょう。問題が明確でないと原因も曖昧になり、根本的な問題解決策に繋がりません。5W1Hを意識すると考えやすくなります。

例 「出荷ミスがあった」
      ↓
  「2011年1月1日に第一工場で作業者Aが担当していた製品Aの納品箱に製品Bが混入していた」

ステップ3: 「なぜ?」を繰り返し真因を特定

問題に対してチーム全員で「なぜ?」という問いを繰り返します。一般的に5回を繰り返すように言われていますが、仕組みの原因=真因が分かれば回数を気にする必要はありません。

思いついた原因は付箋に書いて、ホワイトボードに貼りましょう。複数原因が考えられる場合は、分岐させてもよいです。このとき、原因を「人・意識系」と「プロセス・ルール系」にカテゴリー分けして分析を進めると「プロセス・ルール系」に真因があるとわかるので便利です。

なぜなぜ分析の構造

ステップ4: 再発防止策を考える

真の原因が分かったら、再発防止策を考えましょう。

ステップ5:有効性を確認する

せっかく真因を見つけ対策を打っても、継続性が無ければ同じミスを繰り返してしまいます。そこで、継続するための仕組みを作る必要があります。例えば、部署内や担当者によるセルフチェックを日常業務に取り入れ、業務内容を文書化しマニュアルを作成する等です。このように、再発防止が正しく継続的に行われているのか定期的に確認し、有効性を確かめましょう。

3. 進めるコツ

なぜなぜ分析を進めるコツを5つ紹介します。以下のポイントに気を付けて進めないと本来の効果が得られず時間の無駄になってしまう可能性があります。

なぜなぜ分析を進めるコツ

①発生した背景まで明確にする

問題を明確にするのはもちろん、問題が発生した状況や背景まで具体的にすることで、原因を特定しやすくなります。このとき、3現主義(現場・現物・現実)を意識し、以下のように状況整理を行いましょう。

3現主義
  • 実際に現場に訪れて作業環境や設備を確認する
  • 工程履歴を確認する
  • 設備の使用履歴を確認する
  • 使用材料の履歴を確認する
  • 作業員への聞き取り調査を行う

②少人数グループで行い全員が発言する

1人で原因を考えていると、気が付かない視点があったり思い込みで判断してしまい、根本原因までたどり着けない場合があります。そのため、3名〜5名のグループを作り全員が発言できるようにし、多角的な視点から原因を追究できるように環境を整えましょう。

➂分かりやすい言葉で書く

小学生でも理解できるような明確で分かりやすい言葉で書きましょう。例えば、下記のワードは具体性がなく分かり辛いので、表現を変えましょう。

【NGワード例】
「不安定な姿勢だった」→右足を捻挫していた、腰をかがめた等、具体的に示す
「認識しなかった」→~を知らなかった、~に気づかなかった等、明確に示す
「〇〇管理」→計画なのか、実行なのか、検証なのか、見直しなのか具体的に示す
「〇〇が不十分」→〇〇をしなかった、出来なかった、しづらかった等、客観的に示す
「〇〇意識」→例えば危険意識ならば、危険なのかどうか判断できない等、客観的に示す
「〇〇が悪い」→計測の仕方が悪い、正しい計測をしていない等、客観的に示す

④原因→結果の繋がりを意識する

原因と結果の関係が成立しているか確認しましょう。原因から結果が発生したという流れになっていないと、本質的な原因にたどり着けません。

【NG例】
計画通りに進んでいない →× 人員が足りない ※言い訳になっている
            →〇 第一段階に入るまでに時間がかかった
メールの宛先を誤った  →× 作業者は以前からミスが多かった ※普段の傾向は無関係
            →〇 メールの宛先を確認するルールが無かった

⑤人のせいにしない

ミスの原因を「作業員の不注意」と人のせいにすると、再発防止策は「注意する」のように曖昧で説得力がなくなります。また、なぜなぜ分析の過程で作業者を怒ったり責めたりすると、パワハラ問題に発展したり、作業者がミスや不良を隠してしまうかもしれません。

具体的で効果のある改善策を考えるためには、改善業務の基本「人を責めずに仕組を疑え」をもとに、組織のシステムに真因を見つけることが大切です。上記5つのポイントを意識して、なぜなぜ分析を進めていきましょう。

4. ちゃんとできてる?チェックリストで確認!

適切になぜなぜ分析できているでしょうか?チェックリストを使って確認してみてください。

  • なぜなぜ分析の目的を理解しているか?
  • 問題や背景(いつ誰がどこで何をどのように発生したか)が明確か?
  • 客観的な分析ができているか?
  • 分かりやすい言葉を使用しているか?
  • 問題と原因が繋がっているか?
  • 原因を個人のせいにしていないか?
  • ミスした人を必要以上に責めていないか?

5. まとめ

この記事では、なぜなぜ分析のやり方や進めるコツを初心者の方向けに説明しました。再発防止策を考える時に、お役に立てれば嬉しいです。

当社では、継続的な改善活動を実施し、お客様に安心していただけるサービスの提供を心掛けています。HPに記載されていない案件でも誠意をもって対応させて頂きますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

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