【QC検定3級】難易度や概要、勉強方法など詳細解説
投稿日:2022/6/30
QC検定3級は日本規格協会が主催する品質管理について満遍なく問われる試験で、難易度は比較的「易しい部類」に入る資格です。合格率は50%前後で、業種を問わず職場の問題解決を行う社員や、品質管理を学んだことがある学生を対象に行われます。この記事では、そんなQC検定3級の概要や勉強方法について説明しています。
1. QC検定3級の概要
QC検定とは、あらゆる業界で重要な品質管理の知識を問われる資格です。2005年に第1回試験が開始された比較的新しい資格で、累計1千万人以上の人が受験しています。試験の難易度によって1〜4級に分かれており、それぞれ受験対象となる人や試験内容が異なります。
3級はQC検定の中で最も受験者数の多い級となっており、品質管理の仕事に携わる社員や品質管理を学ぶ大学生・高専生・高校生が受験対象とされています。
3級以外については以下のリンクからどうぞ
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【QC検定4級】難易度や概要、勉強方法など詳細解説
1.1. QC検定3級を取得するメリット
QC検定3級を取得することで、品質管理の基本的な知識が身に付き、実務に活かすことができます。また、就活の際にも品質管理についての基本的な知識を持っていることや勉強意欲・向上心があることをアピールできます。
1.2. 合格ラインは各分野50%以上かつ総合70%以上
3級の合格基準は各分野(品質管理の実践・品質管理の手法)の得点が概ね50%以上かつ総合得点が概ね70%以上です。
1.3. 試験時間は90分
QC検定3級の試験時間は13:30~15:00の90分間になります。
1.4. 回答方法はマークシート方式
全ての問題はマークシートで解答します。
1.5. 一般的に必要とされる勉強時間は100時間程度
品質管理について知識がない方が合格を目指す場合、おおよそ100時間の勉強時間を確保しましょう。1日1時間勉強すると仮定すれば、3か月以上の期間がかかるので前もって計画を立てて学習しましょう。すでに学校や仕事で品質管理について学んだことがある方は、30時間程度の勉強時間でも合格可能でしょう。
2. 勉強方法
QC検定3級に合格するための勉強方法のポイントを解説いたします。ここでは市販の過去問とテキストを使った効率的な勉強方法について説明しています。
2.1. 過去問を購入し問題を解く
まず最初に過去問を使って実際に問題を解いてみましょう。過去問を解くことで、試験の難易度や傾向、問題を解くのにかかる時間を体感できます。また、自分の苦手な分野を把握することもできます。
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2.2. 間違えた部分を復習する
問題を解いた後、間違えた部分を復習しましょう。テキストの該当箇所や問題の解説を読んで、苦手な分野の理解を深めましょう。
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2.3. もう一度問題を解く
復習したあとはもう一度過去問を解いてみましょう。正解率80%以上を目指して繰り返し学習を行いましょう。
3. 出題範囲
QC検定3級の出題範囲は大きく分けて品質管理の実践・品質管理の手法の2つです。それぞれの内容と問題例を紹介します。
品質管理の実践
品質管理の実践では、現場で活動するときに使用される品質管理の考え方や用語について、以下のような内容が問われます。
- QC的ものの見方・考え方
- 品質の概念【定義と基本的な考え方】
- 管理の方法
- 品質保証:新製品開発【定義と基本的な考え方】
- 品質保証:プロセス保証【定義と基本的な考え方】
- 品質経営の要素:方針管理【定義と基本的な考え方】
- 品質経営の要素:日常管理【定義と基本的な考え方】
- 品質経営の要素:標準化【言葉として】
- 品質経営の要素:小集団活動【定義と基本的な考え方】
- 品質経営の要素:人材育成【言葉として】
- 品質経営の要素:品質マネジメントシステム【言葉として】
【問題例】※QC検定3級見本問題より抜粋
【問】次の文章で正しいものには○印を、誤っているものには×印を解答欄に記入せよ。
- [1]管理項目は多ければ多いほどよい。
- [2]QCストーリーの「歯止め」は、管理のサイクルの Check に該当する。
- [3]品質保証体系図とQC工程表は同じものである。
- [4]品質保証は、厳格な最終検査によってのみ達成される。
- [5]プロセスとはインプットをアウトプットに変換する、相互に関連する又は相互に作用する一連の活動のことである。
- [6]方針管理を実施していれば、日常管理は不要である。
- [7]工程異常が発生したが、不適合品を全て廃棄したので問題ない。
- [8]デジタル表示の計測器は、校正する必要がない。
- [9]製造現場で QC 工程表を勝手にカスタマイズしてはいけない。
- [10]是正処置は、発生した不適合の再発を防止するために行う。
【問】次の文章において【】の中に最も適切なものを各下欄の中からひとつ選び、その記号を解答欄に示せ。
QC的問題解決のアプローチの特徴は、現状把握することからはじめ、そのアウトプッ トを生む【①】の進め方の【②】をし、その【③】(=あるべき状態からのズレ) を【④】することである。従って、真の問題解決とは、再発をしない【⑤】がされ たということである。
【選択肢】 ア.レベルアップ イ.仕事 ウ.保障 エ.悪さ オ.再発防止
品質管理の手法
品質管理の手法では、データの扱い方や活用方法について以下の内容が問われます。計算問題も出題されるためしっかり勉強しておきましょう。
- データの取り方・まとめ方
- QC七つ道具
- 新 QC七つ道具【定義と基本的な考え方】
- 統計的方法の基礎【定義と基本的な考え方】
- 管理図
- 工程能力指数
- 相関分析
<問題例>※QC検定3級見本問題より抜粋
【問】ある製品の重量 x(g)を測定した結果、次の 5 個のデータが得られた。統計量として、平均値 x と分散 V を求めるといくらか。下欄の中から選び、その記号を解答欄に示せ。
データ:9.2, 8.9, 9.3, 9.4, 8.6
- 平均値 x :ア.45.40 イ.11.35 ウ.9.20 エ.9.08
- 分 散 V:ア.0.428 イ.0.327 ウ.0.107 エ.0.0856
【問】 以下の文章は散布図の見方について書かれたものである.文章中の①~③において、最も適切な選択肢を選びなさい。
点が右上がりの傾向があるか右下がりの傾向があるかを見る。右上がりの傾向、つまり、一方の変数の値が増加したとき、もう一方の変数の値に①【ア:増加 イ:減少】する傾向が見られ た場合②【ア:正の相関関係 イ:負の相関関係】があるという。このとき、傾向線からのば らつきが小さいほど、その関係は③【ア:強くなる イ:弱くなる】 。
【問】次の各手法に関連の深い語句を選択肢から1つまたは2つ選び、その記号を解答欄に記入せよ。
- ①パレート図
- ②散布図
- ③管理図
- ④特性要因図
【選択肢】 (A)大骨 (B)相関 (C)UCL (D)重点指向 (E)Cp
4. 申込概要
4.1. 受験資格
特に制限はなく、どなたでも受験可能です。
4.2. 開催時期 年2回(3月と9月)
毎年3月下旬と9月上旬の2回開催されています。
4.3. 申込期間と方法
申込は開催月の約3か月前(12月と6月)に開始されます。第34回QC検定(2022年9月4日)では以下の申込方法があり、それぞれ申込期間が異なっていました。受験する際には、前もって申込方法や期間を確認しておきましょう。
- ・個人申込【WEB受付・クレジットカード払い】
- 2022年6月6日(月)~6月30日(木)
- ※最終日は17時締切
- ・団体登録受付【団体A/団体B共通】
- 2022年6月6日(月)~6月20日(月)
- ※最終日は17時締切
4.4. 受験料
2022年9月4日実施の第34回試験から受験料が値上げされ、税込みで以下の価格になっています。
- 3 級 5,170 円
- 4 級 3,960 円
- 3・4 級併願 8,250 円
3・4級を併願する場合、それぞれ別で受けるより880円お得に受験できます。受付が完了すると原則キャンセルや払い戻しはできないので、受ける級や日時を間違えないようにしましょう。
4.5. 開催地は全国約120か所
QC検定は全国約50都市120か所で開催されています。受験地域については、申込時に希望地域を指定できますが、試験会場は選べず、過去に開催された会場も公開されていません。具体的な受験会場は、申し込み後に自宅へ届く受験票に記載されるのでそちらで確認しましょう。選択した受験地の希望者が多かった場合は抽選が行われ、当落結果はメールで知らされます。
以下は第34回試験(2022年9月4日)の開催地です。1級の開催地は限られているため注意しましょう。
4.6. 持ち物
QC検定3級を受ける時に必要な持ち物です。試験当日は忘れないようにしましょう。
- 筆記用具…黒の鉛筆・シャープペンシル(HBまたはBに限る)・消しゴムを持参しましょう。
- 受験票…受験者本人の写真を貼っていない場合は受験できないので、忘れずに貼りましょう。
- 時計…時計がない会場もあるため、腕時計を持参しましょう。
- 電卓…√(ルート)付きの一般的な電卓1台のみ持ち込みできます。関数電卓は持ち込みNGなので注意しましょう。
- マスク…新型コロナウイルス感染防止対策のために着用しましょう。
5. まとめ
今回の記事では、QC検定3級について概要や出題範囲、勉強方法について説明しました。QC検定3級について知りたい方や、QC検定3級を受けようと思っている方にとって役に立つ記事となれば幸いです。
弊社では、従業員のスキルアップやものづくりにおける品質への理解を深めることを目的に、QC検定の取得を推奨しており、資格取得支援を行ってます。従業員の品質に対する意識を高めることが、サービスの安定と信頼に繋がると考えています。アウトソーシングを検討されているお客様の不安を少しでも取り除くため、弊社ではこのような取り組みを行っております。